産婦人科の進歩
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子宮頸部初期癌における細胞診単独陽性例の検討
―細胞診の必要性と円錐切除術の問題点―
植木 実土居 荘之介
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1975 年 27 巻 4 号 p. 349-354

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抄録

子宮頸部上皮内癌13例と浸潤癌20例(浸潤0.1~3.0mm 9例, 3.1~5.0mm 6例, 5.1~10.0mm 5例)の腟細胞疎を検討し, 浸潤深度に伴う変化について検索した, その結果, 浸潤深度の増加につれて, 核異常細胞は減少し, 悪性細胞が増加する傾向がみられ, 特に分化型の悪性細胞の出現がみられた. また細胞質径, 核径の増加傾向もわずかながら認められるが, N/C比では著明な変化が認められなかった. 細胞形では上皮内癌と浸潤5mmまでの浸潤癌とでは著差が認められないが, 浸潤5mmを超えると線維型の悪性細胞がよく見られる. クロマチンは浸潤の増加によって細顆粒が減少し, 粗顆粒が増え, 5mmを超えると無構造が増加する.

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