産婦人科の進歩
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出生前診断における羊水細胞の培養法と染色体分析法に関する研究
松本 雅彦
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1977 年 29 巻 1 号 p. 37-48

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抄録
胎児の遺伝的異常の出生前診断に欠くことのできない羊水細胞の培養法に関し, 培養増殖に影響を与える種々の因子を解明し, その最適条件を設定することから, 成功率の高い羊水細胞培養法を創案した. ことに培養液への母体血清添加の効果を明らかとした.
また, 試料に混入した赤血球の阻害的作用を明らかとし, その処理法, ならびに胎盤穿刺血を用いての胎児の染色体分析法を開発した.
染色体核型分析に際し, in situ methodおよび半乾燥後固定法を用いることにより, 分裂中期細胞の最大限の捕捉を可能とした.
以上の培養法ならびに分析法を用いることにより, 出生前診断の成功率を著しく向上せしめ, 診断に要する時間の短縮をなし得た.
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© 近畿産科婦人科学会
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