産婦人科の進歩
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続発性腟癌の寛解症例
―特に抗癌剤連続動注療法を中心として―
武田 守弘松田 孝之小笠原 利忠池田 義和西浦 治彦竹村 正礒島 晋三
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1984 年 36 巻 4 号 p. 357-363

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抄録

Stage 1期直腸癌の根治術4年後に浸潤転移したと考えられる腟壁腫瘍に対して, CO2レーザーevaporation及び放射線療法に加え, 選択的抗癌剤持続動注療法を行ない, 寛解を見た症例について報告する. 症例は44歳で, 腹会陰式直腸切断術施行後4年目よりCEA上昇と共に腟壁に潰瘍を形成し, 病理組織学的に続発性腟壁腺癌と診断された. 入院後病巣部にOK-432局注, CO2レーザーevaporation及び放射線療法を施行後も尚CEAは高値であり, しかもCTでは限局性であったため深部腟壁浸潤に対し動注療法を試みた. その結果投与側の潰瘍性腫瘍は消退しCEA値も正常値になりこの方法が有用であったと考えられた.

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© 近畿産科婦人科学会
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