強酸性水のマウス生殖能に与える影響を観察することにより,産婦人科領域でこれが生殖能に影響を及ぼすことなく安全に使用できるか基礎的検討を行った.[方法]強酸性水で飼育したマウスと滅菌水道水で飼育したマウスをそれぞれ雄4匹,雌12匹ずつ作製した.健康状態,各種生殖機能の評価のため両群間の5から10週齢までの体重の推移,1週間同居による交配率,出産仔数,出産仔の性別比,出生仔の5週齢における体重を比較検討した.[結果]すべての検討項目に関して両群間に差を認めなかった.[結論]以上より強酸性水による飼育はマウスの一般健康状態および生殖能に有害な作用は及ぼさず,産婦人科領域において安全に使用できる可能性が示唆された.〔産婦の進歩48(1);1~5,1996(平成8年1月)〕