農業施設
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バイオガスプラントにおけるガス利用方式の違いが運転時のエネルギー収支に及ぼす影響
中山 博敬 干場 信司石田 哲也横濱 充宏今井 俊行菱沼 竜男森田 茂
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 42 巻 3 号 p. 109-118

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抄録
稼働中の共同利用型バイオガスプラントで実測したデータをもとにバイオガスプラント運転シミュレーションモデルを構築した。そのモデルを用いてバイオガス利用方式がガスボイラー,コジェネレーター(CHP)および精製圧縮充填装置(精製装置)の場合でのプラント運転時のエネルギー収支について定量的に比較し,効率的なバイオガス利用方法を明らかにした。また,投入した化石エネルギー量および精製時に排出されたオフガス中のメタン量から温室効果ガス排出量を求め,環境に対する負荷について明らかにした。 その結果,乳牛1 000 頭分のふん尿を処理するバイオガスプラントでは,エネルギー生産効率が最も良いガス利用方法はCHP を用いた場合であることが明らかとなった。また,温室効果ガス排出量の最も少ないガス利用方法はCHP を用いた場合であり,最も多いのが精製装置を利用した場合であった。産出エネルギー1 GJ 当たりの温室効果ガス排出量は,精製装置を利用した場合ではCHP を利用した場合の10 倍以上であった。
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