新規健康食品素材, 医薬材料, 動物飼料の添加剤を開発するために, 本研究ではジャポニカ昆布加工や収穫時の発生した廃棄物を活用し, 機能性成分であるフコキサンチンのエタノール水溶液による抽出方法を検討した。とくにフコキサンチン収率に及ぼす昆布の形状, エタノール濃度やpH, 乾燥温度などの影響を調べた。抽出条件を検討したところ, pH5.3, エタノール濃度80% (v/v) の20mLを用いて, 30分間の抽出を3回繰り返したところ, 1gの乾燥した昆布から得られたフコキサンチンの量はエタノール水溶液として最大252±13μgであった。さらにフコキサンチンを粉末化するときに, 乾燥温度や乾燥速度, コストなどの面を考慮すると, 60%のエタノール濃度, 55℃の熱風乾燥温度が最適条件であり, フコキサンチン収率は最大で69.5%であった。