生物物理化学
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ヒト精漿蛋白の二次元電気泳動法による分析 (第1報)
吉田 宏小野 政孝真鍋 敬奥山 典生
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1989 年 33 巻 3 号 p. 113-118

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抄録

70名のヒト精漿について変性剤を加えないミクロ二次元電気泳動を行った. 精漿蛋白の泳動像についてみるとMW5,000から1,000,000およびpI3.5からpI8の広範囲にわたり, 約80個のスポットが認められた. 精漿中のAlbおよびAlbより高分子領域の蛋白質については, ほとんどが血清にくらべてその含有量が少なかった.
精漿蛋白の低分子領域 (MW5,000付近) では, 5~6個のスポットしか検出されない個体と10数個のスポットが検出される個体との2群がみられたが, このことは健康および不妊歴との相関は認められなかった. また, 精漿の低分子領域 (MW20,000付近) で精漿特異蛋白とされるγ-Seminoprotein が5本の線状のスポットとして検出された.

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© 日本電気泳動学会
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