EGF, NGFおよびカリクレイン遺伝子ファミリーのマウス顎下腺における遺伝子発現を, ポリメラーゼチェーンリアクション法およびノーザンブロットハイブリダイゼーション法により解析した. その結果これら遺伝子は, 雌マウス顎下腺においていずれもテストステロンもしくは甲状腺ホルモン投与により, その発現がほぼ同様に誘導されることが明らかとなった. このようなホルモンによる遺伝子発現の誘導は顎下腺以外の臓器では確認されなかった. またカリクレイン遺伝子ファミリーの一つであるmGK-6はホルモン投与による誘導のかからない遺伝子であることが確認された. これら遺伝子プロモーター領域のDNA塩基配列解析を行った結果, 共通に保存された塩基配列を見いだすことができ, これが組織特異的転写調節因子結合領域である可能性が示唆された.