生物物理化学
Online ISSN : 1349-9785
Print ISSN : 0031-9082
ISSN-L : 0031-9082
マウス顎下腺における遺伝子発現の解析
黒澤 信幸荻田 善一
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 35 巻 5 号 p. 397-403

詳細
抄録

EGF, NGFおよびカリクレイン遺伝子ファミリーのマウス顎下腺における遺伝子発現を, ポリメラーゼチェーンリアクション法およびノーザンブロットハイブリダイゼーション法により解析した. その結果これら遺伝子は, 雌マウス顎下腺においていずれもテストステロンもしくは甲状腺ホルモン投与により, その発現がほぼ同様に誘導されることが明らかとなった. このようなホルモンによる遺伝子発現の誘導は顎下腺以外の臓器では確認されなかった. またカリクレイン遺伝子ファミリーの一つであるmGK-6はホルモン投与による誘導のかからない遺伝子であることが確認された. これら遺伝子プロモーター領域のDNA塩基配列解析を行った結果, 共通に保存された塩基配列を見いだすことができ, これが組織特異的転写調節因子結合領域である可能性が示唆された.

著者関連情報
© 日本電気泳動学会
前の記事 次の記事
feedback
Top