生物物理化学
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未処理フューズドシリカキャピラリー電気泳動によるタンパク質の分離
栗岡 晋都丸 慶子佐藤 泰世黒須 泰行
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1993 年 37 巻 3 号 p. 175-181

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抄録

未処理フューズドシリカキャピラリーを用いたキャピラリー電気泳動法によって, 11種のモデルタンパク質 (MW 6~75Kd: pI4.5~11.2) 及びヒト血清タンパク質の分離分析を試みた. 電解液, 添加剤, キャピラリー洗浄法, 試料注入法について, タンパク質の移動時間,ピーク面積の再現性を指標として検討した. 電解液として100mMホウ酸ナトリウム (pH10.0), 洗浄液として0.1Mリン酸水溶液 (pH2.5), 泳動ごとに洗浄液と電解液を交互に5分間送液してキャピラリーの初期化を行い, 再現性の良い分離分析が達成できた. 使用したモデルタンパク質は, チトクロムcを除き, 等電点と相関する移動時間を示した. ヒト血清タンパク質は, 8分以内で分離分析が可能であった. さらに改善すべき点はあるが, 未処理フューズドシリカキャピラリーを用いた電気泳動法は, 微量, 高分離, 迅速, 簡便なタンパク質分析手法として有用であることを確認した.

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© 日本電気泳動学会
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