生物物理化学
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キャベツ起源ホスホリパーゼDの精製と一次構造
佐藤 広顕渡部 俊弘相根 義昌高野 克己
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1999 年 43 巻 1 号 p. 31-38

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抄録

我々はキャベツから, アセトン沈殿, Octyl-Sepharose CL-4Bカラム疎水クロマトグラフィーおよび Mono-Qカラム陰イオン交換クロマトグラフィーにより, Phospholipase D (PLase D) を精製した. 精製された PLase Dは, SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS-PAGE) により均一であった. 精製されたPLase DのN末端および内部アミノ酸列が分析された. これらのアミノ酸配列をもとに, 次のような結論が得られた. (1)精製されたPLase Dの分子量は, SDS-PAGEにより, 約87kDaと推定された. (2)SDS-PAGE上で1つのバンドとして現れた精製PLase Dタンパク質バンドは, N末端の開始位置が少しずつ異なる3つのタンパク質を含んでいた. (3)精製されたPLase DおよびV8プロテアーゼやリシルエンドペプチダーゼによって限定分解された断片のN末端アミノ酸配列は, 米糠, トウモロコシ, およびヒマのPLase D cDNAから推定されたアミノ酸配列と比較された. その結果, キャベツ起源PLase Dの一次構造は他の植物起源のPLase Dのそれと類似していることが明らかとなった.

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© 日本電気泳動学会
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