生活衛生
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市販冷凍食品の細菌汚染について
北瀬 照代外村 佳子安川 章
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1975 年 19 巻 4 号 p. 122-125

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抄録

昭和49年4月から50年3月までの1年間に市販冷凍食品242検体について生菌数・大腸菌群・病原性ブドウ球菌・ウェルショ菌の汚染状況を検討した。
1. 生菌数は冷凍食品 (1g当り) 103以下が全体の53.4% (129/242) と過半数をしめ, 105以下が95.1% (230/242) をしめた。食品別では加熱後摂取冷凍食品B (凍結前未加熱) の汚染度が高かった。
2. 大腸菌群の陽性率は33.5% (81/242) で, E. coli の検出率は10.3% (25/242) であった。食品別では生食用冷凍鮮魚介類からは検出されず, 加熱後摂取冷凍食品B (凍結前未加熱) の汚染度が高く, 大腸菌群が42.1% (75/178), E. coli が12.9% (23/178) 検出された。
3. 病原性ブドウ球菌は冷凍食品から5.4% (13/242) に検出され, 食品別では生食用冷凍鮮魚介類からは検出されず, 加熱後摂取冷凍食品A (凍結前加熱済) からは4.5% (2/44), 加熱後摂取冷凍食品B (凍結前未加熱) からは6.2% (11/178) に検出された。
4. ウェルシュ菌は冷凍食品から19.4% (47/242) に検出され, 食品別では生食用冷凍鮮魚介類からは検出されず, 加熱後摂取冷凍食品A (凍結前加熱済)から43.2% (19/44), 加熱後摂取冷凍食品B (凍結前未加熱) から15.7% (28/178) に検出された。ウェルシュ菌陽性検体から耐熱性ウェルシュ菌が29.8% (14/47) に検出された。加熱後摂取冷凍食品A (凍結前加熱済) 1検体 (焼ぎょうざ) よりウェルシュ菌エンテロトキシン産生株を分離した。

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