生活衛生
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大阪市保健栄養学級修了者における食生態学的考察
(第3報) 食事別食物摂取構造について
伊藤 美津上田 秀樹小笠原 勉佐野 勢津子寺西 美智子西川 克子西木 人西村 公子松本 見司山神 直子藤原 英治鎌田 五郎難波 六磨由井 慶子宍戸 純加藤 敬香
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1981 年 25 巻 2 号 p. 57-66

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抄録

大阪市保健栄養学級修了者 (20代-50代の主婦) 104名について, 栄養摂取状況調査を行い, これを朝, 昼, 夕, 間食別に集計し, 各食における栄養素摂取量および食品群摂取量の対数変換値を入力変量として, 因子分析を行い, 栄養摂取および食品摂取のバターンについて検討した。
(1) 栄養摂取量に関する因子分析では, 朝, 昼, 夕の各食いずれにおいても, 類似の3因子が得られた。それらは, (1) 栄養の量的因子, (2) 糖質・エネルギーとビタミンA・Cの競合する因子, そして, (3) 脂肪摂取に関する因子でであった。
量的因子に対しては, 基代謝量の影響が認められ, 脂肪因子に対しては, 年令の影響が認められた。
(2) 食品群摂取量に関する因子分析の結果, 朝食では, 米・パンを両極とする強固な摂取パターンが認められ, 昼食では, 米・パン・めんを三極とする明瞭な摂食パターンが認められたが, 夕食では, これら主食の関与する食事パターンの寄与は, 小さいものであった。
また, 朝, 昼, 夕の3食を通じての食物摂取構造の検討では, (1) 年令の影響を受ける摂食パターン, (2) 主食選択に関するバターン, そして, (3) 副食多食の, “ぜい択性” の関与が推測されるパターン, が認められた。
更に, 食品群摂取量に関する因子と, 栄養素摂取量に関する因子との関連についても, 検討を加えた。
本報告の一部は, 第39回日本公衆衛生学会総会において発表した。

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© 社団法人 大阪生活衛生協会
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