生活衛生
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米国における家庭用ショートニング及びラードの性状
小日山 正剛馬場 明木下 葉子丸山 武紀新谷 〓菅野 道廣
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1995 年 39 巻 2 号 p. 75-80

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抄録

米国で市販されている家庭用のショートニング及びラードの一般性状について調査した。9銘柄のショートニング及び2銘柄のラードを購入し、品質特性について分析した。
1) ショートニングの融点 (mp) 及びけん化価は、それぞれ39.3~48.3℃及び188.7~197.0の範囲にあった。植物性タイプのショートニングのヨウ素価 (IV) (81.1~94.3) は、動物脂配合タイプのショートニング (55.4~62.4) と異なった。鉄 (Fe) は3試料から0.5ppm以上 (最高1.07ppm) 検出された。ニッケル (Ni) は4試料から0.1ppm以上 (最高2.22ppm) 検出された。
2) トコフェロール (Toc) は、いずれのショートニングもγ-体が主成分であった。トコトリエノールはいずれの試料からも検出されなかった。ブチルとドロキシアニソール (BHA) 及びジブチルヒドロキシトルエン (BHT) は動物脂配合タイプのショートニングから、それぞれ48.7~97.0mg/kg及び45.7~71.3mg/kg検出された。BHTはラードからも6.4及び63.3mg/kg検出された。プロピルガレート (PG) はラードの1試料から17mg/kg検出された。モノアシルグリセリン (MG) は全試料から0.3~2.5%検出されたが、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル (SoE) 及びショ糖脂肪酸エステル (SuE) は検出されなかった。
3) 植物性タイプのショートニングのステロール組成は、互いによく類似していた。ブラシカステロールはいずれのショートニングからも検出されなかった。脂肪酸組成において、植物性タイプのショートニングのリノール酸 (C18:2) (21.9~29.0%) は動物脂肪配合タイプのショートニング (6.6~11.5%) よりも多かった。植物性タイプのショートニング及び動物脂配合タイプのショートニングは、それぞれ脂肪酸組成がよく類似していた。

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