農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
鹿児島県育成キク品種'きゅらキッズ'のマメハモグリバエに対する抵抗性
田 野飛坂巻 祥孝櫛下町 鉦敏今給黎 征郎
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2010 年 16 巻 4 号 p. 123-126

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抄録

鹿児島県で育成されたキク品種'きゅらキッズ'上におけるマメハモグリバエ雌成虫がつけた摂食産卵痕数,産卵数,そして産下された卵数,ふ化幼虫数と蛹化数,そしてそれらの死亡率を無選択実験で調査し,'ジェニーオレンジ','セイチャイナ','AS01-57'の3品種およびインゲンマメの芽だし上での飼育の場合と比較した.キクの4品種間では,摂食産卵痕をつけた雌数,産卵した雌数,ふ化する卵を産卵した雌数に差が認められなかった.また,雌1頭あたりの摂食産卵痕数,産卵数,ふ化幼虫数にもキクの4品種間で差が認められなかった.しかし,'きゅらキッズ'上では,蛹化数が極端に他の品種より少なかった.潜葉痕の調査から,'きゅらキッズ'上のマメハモグリバエは1齢幼虫で死亡したことが示唆された.圃場試験で知られていた'きゅらキッズ'のマメハモグリバエに対する抵抗性は幼虫期の高い死亡率に基因することが明らかとなった.

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© 2010 農業生産技術管理学会
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