食品製造業の生産性は主要製造業中最も低い。その主因は小規模事業所が多いためと考えられてきた。しかし零細・小規模工場の構成比は他の製造業と変わらない。むしろ中規模工場が多い事,大規模工場が少ない事が特徴である。食品製造業の中でも装置型製造業は製造業平均より生産性が高い。通常工場従業員数規模の拡大につれ,生産性は向上するが,労働集約型食品製造業においては工場規模拡大による生産性向上は少ない。食品製造業中最大の区分はその他の食品製造業である。種々の製造業で構成されるこの区分は労働集約的で,従業員は中規模工場に集中し,低生産性で全要素生産性も低く,工場規模拡大による生産性向上も少ないなど,食品製造業の特徴と一致する。