生涯教育,職業人育成は今後の大学に求められる機能であり,リカレント教育はその一旦を担う。名古屋工業大学の「3次元CAD設計技術者育成講座」は社会人を対象とした理工系のリカレント教育の事例である。東海地域に集積する自動車,航空機関連の機械系企業における3D-CAD設計技術者育成を目的とし,社会人技術者を対象に1期2ヶ月余の夜学講習を中心として実施されている。文部科学省委託事業として開始され,事業期間の平成19・20・21年度で5期の講習を終了し(修了生は合計163名),その後大学の単独事業として継続されている。
大学におけるリカレント教育の課題は,事業採算の確保,社会経済のニーズを的確につかみ,それに迅速に対応する柔軟性をもつ組織風土の形成である。