情報通信技術(ICT)の進展によって,行政を中心とした地域におけるICT利活用は進んできた。日本においては,インフラ整備を中心として地域情報化が進められてきた。しかし,情報インフラの整備が進んでも,有効に利活用されていない,すべての住民が整備された情報インフラの恩恵を享受できるまでに至っていないなど,地域によって異なる問題が散見される。タブレット端末,スマートフォンなどの急激な普及をはじめとして,情報通信技術や情報サービスは日々変化を続けている。これらの変化の中で,それぞれの地域にとって効果的にICTを利活用することが望まれる。地域情報化の担い手の1つである基礎自治体にとって,何が重要かについて,2011年度に行われた中国地域での調査結果の一部とその考察,課題の概要について報告する。