北海道は,これまでの公共事業依存体質を脱却し,経済の自律化を図ることが模索されている.北海道は全国有数の農水産物の生産拠点でもあり,食品産業は,現時点で製造品出荷額及び従業員数において最も割合の高い産業である.食品製造業が「北海道」という強みを活かしつつ,企業競争環境で生き抜くためには,付加価値の向上を目指し,生産性の向上や衛生管理の強化に努め,企業体質の強化を図ることが重要になってくる.本論文では,これらを鑑み以下の2つの研究の実施結果を述べている.
1)食品製造業自らが自社の強み・弱みを把握し,自社の生産現場・工場の“ものづくり”レベルを客観的に診断し更なる「改善」につなげることを目的にした「食品生産現場自己診断システム」の開発
2)労働集約的作業の多い生産現場の「改善」機能を活性化し,女性でも高齢者でも無理なく,無駄なく,生産遂行を行え,生産性向上に寄与する“アクション型改善チェックリスト”の作成
本研究は,北海道のウィークポイントとされる「生産管理」の向上を通して,更なる北海道経済の活性化を目指すものとなっている.