システムLSI 事業の変遷の中で,同事業で展開された商品の価値を,[商品力]=[性能]×[品質]×[機能]×[コスト]×[デリバリ]×[サービス]の要素に分解し,以下の点を明らかにした.アナログ時代の顧客側(機器メーカー)と供給側(システムLSI メーカー)の間の最も重要なすり合わせ課題は,[性能]×[品質]を決定づける「ノイズの低減」であった.しかし,デジタル時代になると,ノイズは専ら供給側で解決すべき課題となり,両者間の最も重要なすり合わせ課題は,[機能]の実現へと移り変わった.さらには,この変化の先には,再び[性能]×[品質]に加え[コスト]での顧客価値創造に回帰していった.これらの事象をアーキテクチャ論上で示しながら,システムLSI 事業の経営戦略として可視化する.