生産管理
Online ISSN : 2186-6120
Print ISSN : 1341-528X
研究論文Ⓡ
システムLSI 事業における「成功の本質」アーキテクチャ論的検証(1)
―戦略研究の基点になるものについて―
垣本 隆司久保 裕史
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2016 年 23 巻 1 号 p. 9-17

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抄録

システムLSI 事業の変遷の中で,同事業で展開された商品の価値を,[商品力]=[性能]×[品質]×[機能]×[コスト]×[デリバリ]×[サービス]の要素に分解し,以下の点を明らかにした.アナログ時代の顧客側(機器メーカー)と供給側(システムLSI メーカー)の間の最も重要なすり合わせ課題は,[性能]×[品質]を決定づける「ノイズの低減」であった.しかし,デジタル時代になると,ノイズは専ら供給側で解決すべき課題となり,両者間の最も重要なすり合わせ課題は,[機能]の実現へと移り変わった.さらには,この変化の先には,再び[性能]×[品質]に加え[コスト]での顧客価値創造に回帰していった.これらの事象をアーキテクチャ論上で示しながら,システムLSI 事業の経営戦略として可視化する.

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© 2016 一般社団法人日本生産管理学会
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