近年,市場における消費者ニーズの多様化により,生産現場では製品品目の増加や激しい生産数量の増減に対応することが求められてきている.これらの要求に対応するために,セル生産を中心とした多工程作業の導入が顕著となり,作業者に対する作業訓練のあり方を検討する必要性が生じてきた.そこで本論では,セル生産の方式として,一人方式と分割方式の作業習熟の違いに着目し,作業習熟と作業訓練の関係を実験によって検証した.その結果,分割方式は異なる作業因子の組合せが作業に影響を与え,作業習熟に異なる傾向をもたらすことが分かった.また,作業習熟度合いは過度に分割された作業工程より,一人方式による作業訓練を繰り返した方が,効率的であることが明らかとなった.