2018 年 25 巻 2 号 p. 110-118
世界的に見て,20世紀に入り身長は格段と伸びた.特に,日本は著しい身長の伸びを示してきた.これは一重に定期的な栄養摂取の影響であり,たんぱく質の摂取による貢献が大と言える.もちろん,一世代でたんぱく質を多くとったから身長が高くなるわけではなく,世代間に繋がる遺伝子の影響である.つまり,17,8世紀のヨーロッパの貴族でも世代の繋がりによって身長が高いことは知られた事実である.このことに関係があるか分からないが,現代では高身長の者は学歴が高く,高収入であると言われている.恐らく,これは裕福な環境が栄養摂取を高め,高身長に結びついているのではないかと仮説できる,そこで,本研究は,身長の時代的変遷を検証することで,定期的な栄養摂取による高身長のHuman resourceを解析し,身長の後天的遺伝子制御の変化による富裕層の高身長化を検証する.