2021 年 28 巻 1 号 p. 131-136
企業においては,ヘルスマネジメントの観点から従業員の肥満や痩せ等の体型的特徴を的確に把握し,対応することが必要である.しかし,隠れ肥満や痩せについては,通常の健康診断での把握が困難なため,それらの認識には,年齢別や男女別における目安となる基準情報が必要となる.そこで本研究では,企業のヘルスマネジメントにおいて有益な体型情報として,特に隠れ肥満と痩せに着目して,若年成人男女の,BMI 数値分類に基づく体型の分布傾向を調べることとした.隠れ肥満については,男女ともBMI22 から割合が増加し,BMI23 では約5 割,BMI24 では約7 割と,高い割合にあることが明らかとなった.一方,痩せは男女で傾向が異なり,男子は体脂肪率が標準の割合が高く,女子は体脂肪率が少ない割合が高い傾向にあり,男子は筋肉量,女子は体脂肪率の少なさに対する課題が示された.