2021 年 28 巻 2 号 p. 17-24
3D プリンティング技術は既存のビジネスモデルを大きく変化させると予想されている.現在は試作市場・単品市場が基本であるが,製造方法も進化し粉末床溶融結合法,結合剤噴射法が実用化され,量産(中量生産)市場へ展開が始まっている.欧米では航空機部品や自動車部品で量産体制が構築されているが,国内でも量産部品製造が始まり,受託加工を手掛けるサービスビューローが急増している.様々な要素が複雑に関連するため造形のノウハウを自社に蓄積・活用することが重要である.本稿では,関連技術や既存事業で培った強みを活かしながら,金属積層造形分野の受託造形事業を手掛けている企業の事例を取り上げ検討する.