抄録
本研究は職場環境を生態学的アプローチ (EAHMS) の視点から実証的に分析し、作業仮説, 「ボトムアップ、クローズドシステムの (EAHMS型) 職場ではトップダウン、オープンシステムの職場よりも業務効率が良い」について検証している。まずEAHMS型職場環境を作るため、職務を抽象化し、クローズドシステム下におけるフィードバックループを形成し、職務ネットワーク (ナレッジデータベース) を構築した。次にこれらのすべてをマルチモーダルマニュアル (Multi- Modal Manual: M3) として具現化した。また、効率の測定基準にはROI、回転率、ストレス要因などの財務・心理スケールを広範囲に利用した。分析の結果、効率は職場の環境要因に相関すること、そしてクローズドシステムにおいてEAHMS要因による職場効率評価および管理が可能であること、さらにEAHMS理論の応用により、統合型労務管理の方法論が確立できることが明らかになった。