抄録
わが国の工業標準化制度は, 工業標準化法に基づいて “日本工業規格 (JIS) の制定”と “日本工業規格との整合性に関する制度 (JISマーク表示認定制度及び轍験所認定制度)” を二本柱として運営されている.
品質管理方法論も歩調を合わせて精錬されてきた. これらの制度に準拠しながら工業標準化, 規格制定が進められてきたが, 規格の対象の変遷に伴い, 品質管理の方法論も変化している.
以上の規格制定の背景・現状に鑑み, 筆者達は以下の主張を行いたい.
まず本論文においては日本の工業標準化制度の歩みを品質管理方法論の視点から概観する.
更に先端認識技術コードマネジメントを特に取り上げる.
結論として, これからの品質管理にQRコードが有効な手段であることを提唱する.
具体的にはモノやシステム偏重ともいえる規格制定・運用が技術的革新 (QRコード) や消費者や環境を重視する世相を反映し転換を迫られつつある現状を規格制定・運用の歴史を紐解きつつ系譜的に論考する.
更に筆者達は今後の標準化制度運用上, 先端技術への柔軟な対応, 更にそれらによる人や環境への配慮が強く望まれることを訴えるものである.