抄録
エチレン転化反応によるプロピレン機構を明らかにするために、SAPO-34の細孔空洞内と気相に脱離した生成物を調べた。エチレン転化率が1%程度の反応条件下において細孔空洞内には炭素数10までのオレフィンとパラフィンが生成していた。このとき気相には炭素数が4以下の炭化水素、特にプロピレンの生成が確認された。一方、1-ブテンを原料として各種ゼオライトを触媒として反応をおこなうと、プロピレンの生成挙動はエチレンを原料とする場合と同じであった。以上の実験結果をもとに、プロピレンがオクテンを経由して生成していると推論した。また、反応に関与するオクチルカルベニウムイオンについても推定した。