金属間化合物の構造・電子状態が水素分子の活性化に及ぼす影響

抄録

本研究の目的は水素分子の活性化に対する金属間化合物の触媒特性の解明である。金属間化合物は成分金属元素とは異なる特有の結晶構造をもつ。そのため、金属間化合物の物理的、化学的性質は通常の合金とは異なる。また、異種金属同士が強く相互作用するため、各原子の電子状態も単体金属とは異なる。その結果、金属間化合物は単体金属とは異なる特異な触媒作用をもつ。本研究では金属触媒の基本的能力である水素分子の活性化に着目し、その支配因子を解明することを目指す。