抄録
本研究では、芳香族カルボン酸の内部アルキンへの付加反応に対して酸化物担持Ru触媒が優れた触媒活性を示すことを見出した。例えば、Ru/ZrO2触媒および酢酸カリウム存在下、o-トルイル酸と1-フェニル-1-プロピンをメシチレン溶媒中、170℃にて24時間反応させたところ、カルボン酸の芳香族C-H結合のアルキンへの付加とそれに続く環化反応が進行し、フタリド誘導体がGC収率93%で得られた。一方, SiO2, Al2O3, TiO2, Mn2O3に担持したRu触媒を用いたところ反応はほとんど進行しなかった。