石油増進回収(EOR)技術の一つであるケミカル圧入法が適用された石油随伴水(PFPW)に対する凝集剤の凝集効果を検討した。EOR用増粘剤が随伴水に混入することにより、ポリ塩化アルミニウム(PAC)の凝集効果が低減すること、従来の随伴水においてPACよりも凝集効果が低い硫酸バンド(AS)が効果的に働くことが示された。これらは、単なるpHやアルカリ度の上昇によるものではなく、随伴水が含んでいる無機炭酸と増粘剤との相互作用により現れていた。この知見をもとにオマーンにおいてパイロットプラントによる実PFPWの連続処理試験を実施し、良好な処理を行えることが確認された。