抄録
TS-1は過酸化水素を用いた液相酸化反応に活性を示すが、基質の大きさによっては拡散制約を受けることが問題となっている。拡散制約の緩和のため、Si源として同じMFI型であるsilicalite-1を用い、silicalite-1結晶の溶解、再結晶化の過程でTiを導入することで、外表面近傍にTiが偏在化したTS-1を合成することに成功した。調製したTS-1はオレフィンのエポキシ化において過酸化水素の過分解を抑制することが分かり、外表面近傍に偏在化したTi種が活性点として有効に機能している可能性が示唆された。