2018 年 5 巻 3 号 p. 58-59
2018年3月に新たに承認されたSpecial Interest Group (SIG)である,実学としてのサービス科学・知識科学研究会は,2018年4月25日に活動を開始した.現在,メンバーは50名に達し,月1回程度の定期的な研究会を重ねている本活動の近況について報告する.
「10年後,どのように社会が変わるべきか,人が変わるべきか,ビジネスが変わるべきか,その目指すべき社会像の実現に対してサービス科学・知識科学はどのように貢献できるのか?」を,企業人を中心としたメンバーで議論し,明らかにすることで,サービス学会のSIGとして,サービス学の産業応用,実学面での重要性を示す.特に,サービス科学と知識科学の関係に注目する.
代表者 小坂満隆(北陸先端科学技術大学院大学),コアメンバー 平井千秋,長岡晴子(日立製作所),村本徹也(富士通),西岡由紀子(アクトコンサルティング),舩橋誠壽ら第3世代のイノベーション(小坂 2017)の研究(図1)に携わるメンバーによって立ち上げた.
代表者らによる紹介やサービソロジー(通巻17号,Vol.5 No.1)上での募集などを通して,サービス科学に興味を持つ産業界の人材を募った.2018年7月時点で50名に達しており,8割が実務に従事するメンバーである.
SIGの特徴として,「社会人中心」,「理論より実学」,「役に立つサービス科学」を掲げており,新たな時代にサービス科学が本当にビジネスに貢献できるのかを追究していく上で,産業応用および実学面を強化する点に意義があると考える.
定期的に研究会を開催し,多様なバックグラウンドを持つメンバーの問題意識やサービス関連の興味分野について共有している.各々制約が異なるメンバーの参加を促す試みとして,平日会と休日会を交互に開催しており,これまでの活動は以下の通りである.
本SIGの活動内容は,2019年度サービス学会第7回国内大会のオーガナイズドセッションにおいても報告予定であり,事前に希望者にて温泉合宿形式での検討会を行う.サービス科学・知識科学の新たなモデルの構成要素や技術課題の検討をベースに,高齢社会における医療・介護サービス,ITサービスにおける顧客共創,地域創生や観光サービスなどの個別分野テーマについて,10年後を見据えた研究活動を推進する.
本SIGは現在も継続してメンバーを募集しており,興味をお持ちの方には是非ご参加いただきたい.
本SIG連絡先:sig-jitsugaku-contact@serviceology.org
日本電気株式会社 ものづくりソリューション本部長.北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士前期課程修了.サービス学会理事.
日本電気株式会社 ものづくりソリューション本部主任.情報処理学会サービスサイエンスフォーラム研究メンバー.サービス学会出版委員.