尚絅学園研究紀要 B.自然科学編
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熊本市の大気汚染状況について
5年間の小学校区別の二酸化チッ素濃度調査より
中嶋 弘二
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2010 年 4 巻 p. 11-19

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抄録

2002年から5年間、熊本市内の全80小学校に「校区内で最も交通量が多いと思われる地点の大気汚染測定」への参加を呼びかけ、継続して測定を実施してきた。本研究は、熊本市の大気汚染の実態を把握するために、そのデータをまとめ、分析・考察することを目的とした。その結果、1) 5年間で50校(62.5%)の参加があり、測定数はのべ124本であった。そのうち最も高かった値をその学校の測定値として、分析し考察を加えた。平均値は0.039ppmであった。2) 最高値は砂取小0.081ppmで、1割の学校が環境基準値の0.061ppmを超え、「大変汚れている」ことがわかった。3)「汚れている」ところが14校28%、「少し汚れている」ところが29校58%、「あまり汚れていない」ところが2校4%であった。4)「熊本市の小学校区別大気汚染マップ」から「大変汚れている」ところや「汚れている」ところは市の中心部や幹線道路沿いに多く、「あまり汚れていない」ところは金峰山のふもとにある学校であることに気づいた。

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© 2010 学校法人尚絅学園 尚絅学園研究紀要編集委員会
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