鉱山地質
Print ISSN : 0026-5209
エジプトのベリルの産状
ハッサン M.A.H.M.エル シャトウリー
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1976 年 26 巻 138 号 p. 253-262

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抄録

エジプトにおけるベリルの産状には2種類ある.その1つは,昔からエメラルドの産地として知られている東砂漠の南部にあるZabara山付近で,雲母岩・結晶片岩と準片麻岩との接触部付近にベリルが産する.鉱床の分布は,最近の物理探査により認められた北西-南東方向の深部に達する構造帯と一致する.この構造帯には大きな輝緑岩体の迸入が認められ,また,結晶片岩と準片麻岩の接触部に沿って酸性岩が迸入しており,これに伴って変成作用,放射能異常,変質作用,鉱化作用が認められている.
もう1つのベリルの産状は,近年発見されたもので,ペグマタイトあるいは花こう岩中の鉱染鉱床である."Younger Granite"とよばれる正長石花こう岩の岩株が数ケ所にあり,錫石,輝水鉛鉱の鉱化に伴ってベリルの産出がある.

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