鉱山地質
Print ISSN : 0026-5209
チリ南部沿岸域の塊状硫化物鉱床の地球化学
アルファロフルートス
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1988 年 38 巻 207 号 p. 15-25

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抄録

チリ南部の太平洋沿岸域(Coast Range)南部(南緯39°~42°)の古生層中に,ソレアイト玄武岩熔岩,チャート,堆積岩に伴って銅・亜鉛を主成分とする塊状硫化物鉱床が胚胎している.黄鉄鉱,磁硫鉄鉱と共生する閃亜鉛鉱中のFeS含有量は17.0~18.2mol%であり,変成作用の圧力は約2.5kbと推定される.黄鉄鉱のイオウ同位体比は+2.5%(+0.3~+5.4%)で,日本の別子型鉱床のそれ(+2.7‰)に近い,硫化鉱中のコバルトおよび金の含有量はそれぞれ0.1~0.6%,20~700ppbであった.
微量元素およびREEの分析結果より母岩はoceanicbasaltであることが判るので,この塊状硫化物鉱床は日本の別子型鉱床ないしノルウェーのカレドニアのレッケン鉱床に似ていると結論される.

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© 資源地質学会
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