鉱山地質
Print ISSN : 0026-5209
北部中央太平洋海盆産マンガン団塊中のオパール層の轟石細脈
飯笹 幸吉武内 寿久禰
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1989 年 39 巻 217 号 p. 325-333

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抄録

北部中央太平洋海盆で採取されたマンガン団塊は,珪質・褐色及び石灰質堆積物に,埋没あるいは露出した状態で産する.これらの団塊中には,周囲のマンガン酸化物層とは明らかに産状の異なる網状の轟石脈が顕著に発達する特定層が広く認められる.
この特定層は,反射光学特性から4つに分帯される.その中で,内部反射を示すものは,Feを多量に含み,生物起源と思われるオパールから構成されている.残りの3帯は,低・中・高反射能帯に分類される.これら反射能の変動は,轟石や元素の含有量の違いに起因している.
特定層の産状・構成鉱物から,この特定層の起源はオパールを主とする物質であると推定される.また,轟石網状脈は,上下のマンガン酸化物層の堆積面にほぼ平行に発達したオパール層の裂かに後生的に形成されたものである.

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