資源地質
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日本の石材鉱業
石原 舜三
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1993 年 43 巻 241 号 p. 387-396

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抄録

日本の石材鉱業を1990年と1991年の生産量に基ずき概観し,その地質的背景について私見を述べた,砂利と砕石とからなる骨材について,両者の比率は過去10年間にかなり減少し,現在では砕石が主体で,それは主に中古生層の砂岩(頁岩含む)と第四紀火山岩類から生産されている.そのほか各地域個有の硬岩が用いられており,骨材原料の種類は日本の硬岩の分布比とほぼ比例的である.
ブロックとして用いる石材,特に角石では,骨材と異なり花崗岩が重要な比率(1990年生産量の40%)を占め,次いで,安山岩(37%),凝灰岩(15%)であり,これらは日本で伝統的に用いられる墓石の種類を反映している.ヨーロッパなどの大陸地域では堆積岩が多く用いられることに較べて,我が国では火成岩利用が多く,石材産業は著しく地域地質に依存している.

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