抄録
坑内の熱環境条件,すなわち通気の温度および湿度が十分な精度で予測できることが熱環境制御のため最も重要な基礎となる。本論文ではCFDシミュレーションにより求めた局部熱伝達率を利用し,差分法を用い,局部通気を行う鉱山の作業場における熱環境の変化を予測する計算方法について述べた。岩盤内における三次元熱伝導,壁面における水の蒸発,引立面の進行,風管内の空気と坑道内の気流間の熱交換,および岩盤と坑道気流間の熱交換,風管内から掘進坑道内への漏風をも考慮に入れ,掘進作業場の熱環境を予測するプログラムを開発した。