抄録
人工軽量骨材 (LDA) は主に軽量コンクリート用材料として使用されている。骨材はコンクリート中で70% の体積を占めることから,高性能LDA の実現は高性能軽量コンクリートを実現する近道である。従来,LDA の製造は低コスト化に重点が置かれ,高性能LDA は製造されていなかった。
本研究の目的は,LDA の用途の拡大をめざし,従来品より高強度で低吸水率のLDA を開発することである。第1 報では,原料ガラス含有率,原料粒度,発泡剤添加量,ヒートパターンとLDA の物性との関係を研究した。その結果
(1) 既に南部・他 (1993) が報告したように,本研究でも,原料中のガラス含有率が増加すると強度は増加し吸水率は減少する。
(2) 原料粒度は細粒化するほどLDA の強度は増加し,吸水率は低下する。
(3) 発泡材としてのSiC は1μm 以下の粒径がLDA の発泡に大きく寄与する。
(4) ガラス含有率が約90% 程度の真珠岩を使用したLDA の圧縮強度は従来のLDA の2 倍程度であり,吸水率は10 分の1程度である。
(5) 発泡剤の添加量を減少させると物性の温度依存性を少なくするので,LDA の品質の安定化が図れる。