日本鉱業会誌
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SnSO4-Na2SO4-H2SO4系電解液による錫電解精錬
向 正夫
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1958 年 74 巻 836 号 p. 104-108

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抄録

従来錫電解精錬においては珪弗酸硫酸塩混合浴, アルカリ塩浴などが用いられているが, それらの電着状態よ粗状, 粉状を呈し, 回収操作が煩雑である. 本研究はたまたま硫酸ソーダ配合の硫酸錫溶液を電解液とするとき, 極めて綴密平滑な肉厚の電着が得られることに注目して, この硫酸ソーダ配合電解液による錫電解縞鎌について, 数多くの電解試験の結果から, 適当な電解液組成および電解繰作諸条件を検討し, とくに陽極中の不紅物の新与動にっいて詳細に観察した。
その結果本電解液は現行のいずれの錫電解精錬におげるより回収能率のよい電着が得られ, また湯極不績物のPb, Feに対しとくに高い精製能率が得られることから, ブリキ屑や半田屑から画収される粗錫の粘製には好適であることが認められた。よつて基礎実験結果から勘案された新錫電解精錬操業法試案を提案し, これによつてブリキ回収錫を電解精製するやや規模を大にした電解試験をおこない, 本操業法の実用性を確めた。終りに本実験は前本学職負工学土大竹正雄氏が協力したことを明記する。

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© The Mining and Materials Processing Institute of Japan
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