日本鉱業会誌
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ニッケル〓に関する研究 (第1報)
〓のX線分析
西原 清廉近藤 良夫山本 龍太郎
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1961 年 77 巻 874 号 p. 271-276

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抄録

ニッケル鍍の組成と平衡成分との関係について検討するため, 人工的に合成したNi-S系, Ni-Fe-S系の試料およびニッケル製錬の転炉から採取した試料について粉末法によるX線分析を行ない, 次の結果を得た。
れらの結果からγ+ε+π相の安定領域で平衡するNi-Fe合金相の組成はNi約50~60atom.%のものど推定された。
本系の三元化合物 (Ni, Fe) 9S8(Pentlandite)(立方晶系) の存在範囲および格子常数を測定した。その存在範囲はNi 30.7atorn.%, Fe 22.2atom.%, S 47.06atom.%からNi 22.2atom.%, Fe 30.7atom.%, S 47.06atom.%にわたり, またその格子常数はFeS飽和のものについてはa=10.129kX, Ni3S2飽和のものについてはa=10.095kXであつた。
また硫黄50atom.%断面の試料にあらわれるNis-FeS1+x全率固溶体η相 (六方晶系) の格子常数a, cおよび軸比c/aを測定した。η相のこれらの値は試料のNi品位の増加とともに, 直線的に減少することが明らかとなつた。
(3) 転炉から採取したニッケル鉄について相の確認を行なつた結果はNi-Fe-S系の試料の結果とよく一致した。

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© The Mining and Materials Processing Institute of Japan
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