資源と素材
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スロットを利用した水圧破砕応力測定法の開発
水田 義明菊池 慎二徳永 和広原 雅秀
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1994 年 110 巻 4 号 p. 289-296

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抄録

ボアホール軸と垂直な平面内の最小主応力方向にスロットをボアホール軸に沿って切削し, その区間で水圧破砕を行えば, 亀裂がスロット先端に発生し, スロット面の延長上に伸展するので, 亀裂に垂直な応力成分, すなわち, 最大主応力がシャットインプレッシャーとして直接測定できる可能性がある。そこで筆者らは, ウォータージェットを利用したスロット切削装置を開発し, つぎにこれを利用してモルタル供試体に穿孔されたボアホール内でスロッティングを行ったのちに水圧破砕実験を行った。
亀裂の伸展方向は亀裂内の圧力変化や応力場に依存して変化するが, 模型実験では端面の影響があって, この現象を正確に表すことができない。そこで, 境界要素法によって, 無限媒体内のスロット先端からの亀裂伸展のシミュレーションを行った。
本論文ではこの研究に関してこれまでに行ってきた実験と解析, 新たに開発したアブレシブウォータージェットシステムの性能試験, 大型模型実験によるボアホールスロッティング支援の水圧破砕実験および数値解析による亀裂伸展のシミュレーションとそれぞれの結果について述べる。

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© The Mining and Materials Processing Institute of Japan
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