0.5mol/dm3の塩酸を用い, 333Kの温度でヘマタイトならびに塩化第2鉄をそれぞれ浸出助剤として比表面積3m2/gの黄銅鉱から銅の浸出実験を行った。ヘマタイトを用いた浸出実験では, 黄銅鉱を24時間浸出した場合, 銅収率が約75%となるのに対して, 塩化第2鉄では65%となる。ヘマタイトを用いた場合の銅収率は, 浸出助剤無しの場合の約2倍かそれ以上となる。浸出後の残査に硫黄が析出するとき高い銅浸出が達成される。特に, ヘマタイトを用いる方が塩化第2鉄を用いるよりも硫黄析出が多い。したがって, ヘマタイトは黄銅鉱の塩酸浸出において効果的助剤といえる。