計測
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日立電子式プロセス制御装置
倉持 義徳木下 敏雄
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1959 年 9 巻 11 号 p. 706-708

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抄録

日立電子式プロセス制御系の系統図を第1図に示す.温度,圧力,流量などのプロセスの状態量は,検出変換器ですべて統一された1~5mA DCの測定信号に変換される.この測定信号は集中管理室におかれた, PID調節器に送られ,ここで目標値設定信号と比較され誤差信号が作られ,比例,積分および微分の演算が加えられて,1~5mA DCの出力信号となり操作部に送られる.操作器が電気式の場合は所定の電力まで増幅されてこれを作動させる.空気式の場合は電空変換器により,信号電流を空気圧に変換して作動させる場合と,この両者を一体とした電空ポジショナが使用される場合とがある.あるいは油圧を用いた電油ポジショナが使用される.第1図 日立電子式プロセス制御系系統図また測定信号回路に固定抵抗器をそう入することにより,記録計,指示計など電圧で動作する在来の各種計器あるいはまたデータ処理装置なども使用することができ,しかもそれらの計器は制御ループ外に置かれているので,その応答速度その他の性能が直接制御系に影響を与えることもない.さらに信号に直流電流方式を採用しているので,検出変換器の出力抵抗を高く逆に調節器,記録計,指示計などの入力抵抗を低くすることにより伝送導線の長さや温度によるその抵抗値の変化あるいは記録計,指示計などのそう入,除去により,測定信号に誤差を生じることもない.

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© 社団法人 計測自動制御学会
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