1983 年 25 巻 4 号 p. 666-672
抗生剤のうちでaminoglycosidesは薬疹を起こしにくい薬剤の一つとされており, その中でも特に稀なribostamycin (RSM) による薬疹の1例 (60歳, 男性) を経験した。
通常, 薬疹ではその診断にpatch testやその他のskin testで原因薬剤が陽性反応を示すことは比較的稀であり, 一般的に診断的価値が低いとされている。しかし試みにRSMでpatch testと皮内反応を実施したところいずれも陽性であったため, 種々のaminoglycosidesでpatch testおよび皮内テストを再検した。
Patch testではRSMに強い反応がみられたほかstreptomycin, kanamycin, amikacin, fradiomycinにも反応がみられた。皮内テストではRSMに遅廷型の強い反応とkanamycinにも陽性反応がみられた。