皮膚
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調合香料“Fleuri 981 SA”パッチテスト陽性者の解析
須貝 哲郎
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1983 年 25 巻 4 号 p. 703-706

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抄録

1981年における当科標準アレルゲンのパッチテスト陽性頻度で, スイスFirmenich社のFleuri 981SA, Lot No.39187. 7802 (1%白色ワセリン) は全標準アレルゲン中第12位, 香料系アレルゲン中第5位を占め, 10/225 (4.4%) の陽性頻度であった。本調合香料はhydroxycitmnellal, イランイラン油およびgeraniolを含むので, 添加香料3種と香料保留剤benzyl salicylateを加えた4種単離香料に対する陽性率を, Fleuri陽性者について検討した。本香料陽性者は現在まで24例 (うち1例光アレルギー性) で, 陽性頻度24/762 (3.1%), この24例中, hydroxycitronellal陽性率は6/22 (27.3%), geraniol陽性率は3/23 (13.0%), イランイラン油陽性率は12/22 (45.5%) およびbenzyl salicylate 4/23 (17.4%) で, 何れも一般の陽性頻度より高いことが見出された。他方, 3種香料を添加しないベースでのパッチテストでは1/162 (0.6%) の陽性率にすぎなかった。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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