皮膚
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ハムスターチークパウチにおける実験的アレルギー性紫斑の作成
アナフィラキシー様紫斑, アレルギー性血管炎の病態モデルとして
晒 千津子
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1983 年 25 巻 6 号 p. 931-938

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抄録

アナフィラキシー様紫斑およびアレルギー性血管炎23例につき, 螢光抗体直接法を施行し, 免疫グロブリン特にIgM, IgAおよびC3の沈着を9-13%に, フィブリンの沈着を半数に認めた。そこでimmune complexによる血管変化の過程を実験的に追うため, ハムスターチークパウチに観察窓を装着し, 観察した。表皮の移植により血管新生を促した後, 抗原抗体混合液 (抗体過剰) を静脈注射したところ, 新生血管と連絡した細静脈に出血が生じ, 同部には密な好中球の浸潤とIgGの沈着を認めた。同様の変化が, 免疫ハムスターに抗原を注射した例の約半数に生じ, 今後皮膚アレルギー性紫斑の発生機序を解析していく上で有効な手技と考えられる。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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