皮膚
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ビスフエノールFによる職業性接触皮膚炎
早川 律子松永 佳世子竹内 康浩辰見 寿津吉 俊
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1984 年 26 巻 3 号 p. 629-634

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抄録

バス製造会社工員に見られたビスフェノールF (接着剤の主成分) によるアレルギー性接触皮膚炎を報告した. 職場検診の結果, 同一職場の従業員10名中3名にビスフェノールFとの直接接触が確認され, この3名は全て新接着剤使用開始後2-3週に皮膚炎症状を生じた. しかし患者以外は外用剤塗布により数日で症状消失した. 従業員10名に接着剤, ビスフェノールF, 硬化剤, 使用中の塗料3種のパッチテストを施行した. 患者のみにビスフェノールFにアレルギー反応を認めた. モルモット感作試験ではビスフェノールFの感作性はピスフェノールAに比べ弱いが-旦感作が成立するとビスフェノールAとの交差感作を起こし易い結果が得られた.

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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