皮膚
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オキシコナゾールクリームの表在性真菌症に対する臨床効果
川口 俊夫島雄 周平
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1984 年 26 巻 3 号 p. 711-720

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抄録

新しく開発されたイミダゾール系抗真菌剤である硝酸オキシコナゾールを1%含有するクリームを表在性真菌症に使用し, その臨床効果を検討した.
対象は, 表在性白癬23例 (足白癬6例, 手自癬4例, 股部自癬6例, 体部白癬7例), 皮膚カンジダ症11例 (間擦疹型皮膚カンジダ症6例, カンジダ性指間びらん症5例), 癜風10例の計44例であった. 有用率は, 足白癬に対し66.7%, 手白癬100%, 股部白癬100%, 体部白癬85.7%であり, 表在性白癬としては87.0%の有用率を示した. 皮膚カンジダ症に対する有用率は, 間擦疹型皮膚カンジダ症, カンジダ性指間びらん症ともに100%であった. 癜風に対する有用率も100%であった. 副作用は全く認められなかった. 硝酸オキシコナゾール1%含有クリームは, 表在性真菌症に対し, 副作用もなく, すぐれた外用薬であるといえる.

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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