皮膚
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皮膚保湿における保湿剤の役割
尾沢 達也西山 聖二堀井 和泉川崎 清熊野 可丸中山 靖久
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1985 年 27 巻 2 号 p. 276-288

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抄録

皮膚保湿に於ける保湿剤の役割について, In Vitro, in Vivoでの検討を行なった。
モルモットの角質層を用いた力学的検討の結果及びヒト皮膚を用いたIn Vivoの物理化学的, 生物化学的検討の結果, 次のことが知られた。
(1) 皮膚保湿にとって水-保湿剤-油及びそのバランスは極めて重要であり3者は相乗的に機能を発揮する。
(2) 保湿剤は皮膚保湿に重要な役割を演じており, 特に高分子系の保湿剤 (ヒアルロン酸などのムコ多糖類) と比較的低分子系の保湿剤 (グリセリン等のポリオール類やピロリドンカルボン酸などのNMF成分) の組合わせが, 相乗的に好結果を与える。
(3) 理想的な組み合わせの皮膚保湿製剤は単なる物理化学的変化に止まらず, 皮膚に生物化学的変化をもたらすことを認めた。
皮膚保湿製剤のモデルは皮膚保湿機構にあると解釈された。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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