成長発育の遅延と二次性徴障害を合併した劣性栄養障害型表皮水疱症の1例につき, 内分泌学的な検索を合わせ報告した。内分泌検査にて, ゴナドトロピンと, 成長ホルモンの分泌障害が見られ, それらは視床下部以上の中枢レベルの障害であると考えられた。本例では成長ホルモン基礎値の上昇が見られない事より, 発育の異常は, 全身の低栄養状態によって二次的に生じたものではないと思われ, 内分泌異常が表皮水疱症の発症に関連して, 何らかの意義を有する可能性も考えられる。現在成長障害と皮膚病変に対する成長ホルモン及びゴナドトロピン療法の有効性を追跡検討中である。